toby_Nakamichi’s blog

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DCD-1650AZの修理(その3、最終回)

その2では、オペアンプの違いを見つけたところまででした。

他のICも比較してみます。

オペアンプの2段目のゲインを切り替えるためにマルチプレクサを使っていますが、ドナーは74HC4053、動作品は4053です。こちらもカタログで確認してみます。



電源電圧範囲がドナーの7Vに対して、動作品の4053は20Vという点が大きいですが、5Vで使っている訳ですから。特に替える明確な理由はわかりませんね。I/F条件がHCから4000シリーズなるので制御電圧が違うというもの設計時には大きな違いですが、このケースでは大きな問題では無さそうです。

まとめるとICに関しての差分は以下の通りです。

○型番変更
IC209,210 74HC4053→BU4053
IC201,202,203,204 OP262→AD8053

交換するオペアンプマルチプレクサは国内販売代理店などで扱いがありましたが、海外調達の方が断然安価なので海外からとし、更に送料無料となる数量にて手配しました。(注文から三日で到着、4台分+α)

[上側がオペアンプ、下側がマルチプレクサ]


該当のICは半田面にマウントされ、フロー半田で処理されています。
なので基板と部品の背面に接着剤で固定されているため、リフロー半田側の様にリードを加熱してちょいちょいと外すことができません。パターンを剥離させないことを最優先として、ICの端子を注意しながらカッターでリードを根元からカットしてボディを取り外し後、残ったリードを半田コテで取り除きます。取り外し後、交換ICを半田付けしてアンプ出力をチェックします。




フォトダイオード4系統共に出力されるようになりました。良かった。(嬉)

ということで、さらに小基板で違いが無いか確認します。



調べると以下の違いがありました。

○動作品では未実装
C276、C277、C283、R284、R285

○変更
R248 0→10K
R268 56k→11K
R283 1.5M→220K
R233 0→2.7K
R225 0→10K
R234 0→2.7K
R226 0→10K
R254 0→2K
R247 0→10K
R253 0→2K
R273 470K→91K

オペアンプのゲイン変更(下げる方向)と入力バイアス電流補償抵抗の追加などが主です。
結構変更されていますね。

ちなみにドナーのCDPのシリアルは106151万番台、動作品は908150万番台と大きく違います。
良くあるランニングチェンジという名の改良?修正?がされているようですね。
注)小基板のプリント基板のバージョンは同じであることは確認済みです。

ということで、オペアンプとマルチプレクサだけではなく動作品と全て同じ諸元に変更することにします。

若い頃は1005サイズも平気だったのにこの基板の1608サイズでも拡大鏡が無いと厳しいですね。。。(汗)

慎重な作業且つ半田付け状態を確認しながらで完了までトータル2時間程度掛かりました。交換作業には問題無さそうなので、テストモードで調整します。

[上段:フォーカスサーボ動作、ディスク回転、中段:トラッキングサーボ、スライドサーボ、スピンドルサーボ、下段:調整完了、結果表示]


テストモード後にプレイスイッチで調整ステージが進みます。
エラー無く、調整が完了しましたので、全て組み上げて、CDPとしての動作チェックします。

昨日は5時間、今日は3時間ほど連続運転しましたが、問題ありませんでした。



east_bredさん、念の為もう数日連続動作チェックしますので、もうしばらくお待ちください。