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Nakamichi 680ZXの修理

680ZXの修理です。
 
「メーターが動かない」という不具合ですが、半日ほど経っても症状が出ないので回路的には動作していると思われます。メーターI/F回路に送るための信号変換回路の入力側から出力側に順に信号を追い確認しましたが、増幅度、波形ともに問題ありませんでした。やはり当初想定したメーターモード切替スイッチの接触不良の可能性が高いですが、念には念を入れて、基板の半田付け、部品の確認を行います。
 
みどっちさんに事前にご相談して外してもらったトランジスタは新しく交換済みですが、外した物が壊れていないか今回新たに入手した新兵器で確認しました。
 
 
新兵器はトランジスタチェッカーです。これまではテスター付属のhfe測定のみでしたが、これはVbeと漏れ電流が測れます。さらに接続は適当で構わないのです、テスターが自動で端子を判定する、とても賢いのです。
 
それと、例によってリードが黒くなっているオペアンプがありましたので動作はしていますが、予防処置として交換しました。
 
 
メーターは取り合えず、このまま経過観察とし、オートアジマスが動作しないという2つ目の修理をします。
 
680ZXのオートアジマスは自動で録音ヘッドを動かしてアジマスを併せるタイプです。
操作は録音状態にしてメーターモードスイッチをCALにすると、オートアジマスが動作します。
 
確認すると確かにオートアジマス動作中を表す再生インジケータLEDが点滅しつづけ、調整が止まりません。
 
さらに確認するとどうやら録音が全くできない状態であることがわかりました。録音が出来ないなら、この機能は成立しませんから、論理的に整合が取れます。
 
録音できない原因を探します。これまでの経験から録音できない場合のほとんどがバイアス発振回路が動いていません。確認するとバイアスオシレータ出力ご全く出ていません。これも大抵は発振回路の帰還コンデンサ(オレンジキャップ)が故障している場合が多いです。
 
 
取り外して確認するとショートモードで故障してました。(笑)
 
不良コンデンサを交換し、発振周波数を105KHzに調整します。
 
 
 
これで不具合箇所はなくなったので、サービスマニュアルに基づいて調整を実施しました。
 
 
テープスピード調整と併せてワウフラッタを確認しました。スペック内の0.03%でした。
 
各種調整完了後、録音・再生して確認します。
 
 
キレのある音で録音再生が出来ました。
 
念のため、数日動作させて問題が無いか確認することにします。
 
 
 
今回交換した部品です。