本当は今年のお正月に行うはずだったのですが、中々落ち着いて出来ない状態でしたから。。。
今回はお盆休みということで金曜日から土曜日に掛けて、1000ZXL-LTDの調整を実施しました。
先日の700ZXLの調整にて、ABLE及びRAMMの調整自体は経験しておりましたが、1000ZXLの調整には700ZXLの調整冶具は使えません。
こんな、1000ZXL専用の冶具を作成する必要がありました。
スライドスイッチ(一部はスイッチの数及び実装面積節約の為、ロータリーコードスイッチを利用)とプッシュスイッチだけではなく、ICが3個、さらにLED(8ビット)まで必要でした。
この冶具を使うことで
・最大バイアス電流調整
・バイアストラップ調整
・バイアス電流調整
・発振器レベル調整
・A/Dコンバータオフセット調整
・A/Dコンバータ周波数レスポンス及びレベル変更測定
・RAMMモード(SLOWモード/FASTモード)
の調整が可能となります。
それ以外には700ZXLと同様に
・テープ速度調整
・再生アンプオフセット調整
・バイアストラップ調整(再生)
・FL表示調整
・MPXフィルタ調整
・再生ヘッド調整
・再生出力調整
・録音ヘッド調整
を実施しました。
今回はABLEの要となる発振器のレベル調整に手こずりました。。。
録音回路の信号を再生回路にジャンパ配線し、A/Dコンバータ出力をLED表示し
レベルを調整するという部分でレファレンス値は実機で読み替えることが必要でしたが、
サービスマニュアルからは読み取れず(英語の読解力が低いとも・・・)値が合わず難儀しました。
録音再生で1KHzから上が4dBも入力(-20dB)に対して下がるという状態になりましたから。。。(汗)
ちなみに700は発振器の周波数は400Hz、7KHz、15KHzの3周波数でしたが、
1000ZXLは400Hz、2.4KHz、7.2KHz、20KHzの4周波数です。
これによって20-20KHzの範囲で±0.75dBという脅威のf特を保障しているのです。
調整後に録音再生チェックしましたが、ノーマルテープでも±0.75dB以内に入っていることを確認しました。
入手時、メカ部分のメンテのみ実施した時の試聴でソース、テープの切り替えで違いがわからない状態だったわけですが、今回全調整後に聞き比べても違いがわかりませんでした。調整は大きくずれていなかったと思われます。
最悪、調整ができなかったらサービスにお願いするつもりでしたが無事に完了できてほっとしています。
1000ZXLはナカミチの最上位機種ということで、これまで調整を行ったナカミチの中で一番調整箇所が多く、当時出荷時に専門スタッフが1日掛かりで調整したというのが納得できました。