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ZX-5 やまちゃん号メンテ

やまちゃんから依頼されたZX-5の調整を実施しました。

一通り、テストCDにて録音再生してみましたが特別に動作的に大きな問題は無いようで一安心。
サービスマニュアル(ZX-5の入手できないのでBX-300を代用)に基づいて調整していく前にメカを取り出して、細部をチェックします。



中を見たところ、特に手を加えられた箇所はありません。
また半田で問題と思われる部分もありませんでした。



カセットリッド内のプレートが無い影響でしょうか、メカ部分にダストが多かったので極力取り除き、モリブデングリースと思われるグリスを除去し、新たにシリコンベースのグリスを塗布しました。
オリジナルグリスのみたらし状態では無いので、問題は無いのですが、気持ち的に違います。(笑)
注)メカについては、手が入っていると思われます。

メカ部を筐体に戻して、調整を行っていきます。

1.テープスピードの調整



3KHzで録音されたテストテープを再生し、速度を調整します。
ワウフラッタはスペックが0.024%以下(WTD、RMS)のところ、0.04%でした。
そして、ピークは



スペックが、0.045%以下(WTD、Peak)に対して0.08%となりました。

規格値に届いていませんが、実使用上として問題ないと思います。
※使用テストテープ:SONY WS-48B

2.メーターレベル調整
 ほとんどずれていませんでした。

3.MPXフィルタ調整
 19KHz、0dB入力時に規定が減衰量30dB以下に対して、25dBほどでしたので調整し
 Left:32.4dB、Right:33.0dBとなりました。

4-5.再生ヘッド高さ、アジマス調整
 高さについては、ほどんどずれ無し、アジマスは少しずれていたので調整しました。
 ※使用テストテープ TEAC MTT-114NB

6.再生レベル調整
 規定レベルに対して若干低めでしたので調整しました。

 ※使用テストテープ TEAC MTT-112BN

7.再生周波数特性調整
 L側が20KHz時に低め(-2dB)でしたので、調整しました。
 ※直列共振回路の手前の抵抗をショート有無により調整するようになっています。

8.バイアス周波数及び消去ヘッド電流調整



規定レベルより周波数が20Kほど高かったので、規定値105KHzに調整。
消去ヘッド電流が規定310mA~400mAのところ、450mAと高めでしたので、400mAに調整しました。
※消去ヘッドに対する直列抵抗のショート有無で調整するようになっています。

9-10.録音アンプ EQ調整、バイアストラップ調整
 規定レベルに調整しました。

11-12.録音ヘッド高さ、アジマス調整
 再生ヘッドを調整していますので、それに合わせて調整実施しました。

13.録音レベル調整及びバイアス電流調整
 メタルテープ:ナカミチZX、CO2テープ:SX、ノーマルテープ:EX2を使用し、規定の400Hzで0dB、15KHzで-20dBに調整しました。



総合評価として、.録音再生周波数特性を測定します。



※PCからの送り出しは内臓サウンドカード、取り込みはONKYO SE-U33GXVII、ソフトはMySpeakerのRealtimeAnalizer(Ver1.11)を使用しています。テープは、METAL(ZX)を使用。

規定は20-20KHz(±3dB)ということですが、問題なく規定内に収まりました。

続いて歪率を測定してみます。



周波数400Hz、録音レベル0dBで、測定はT-100を使用します。規定0.9%以下に対して0.4%ということでかなり低い値となりました。

其の他にも測定しましたが、それはレポートとして書面で添付したいと思います。

まとめとして、ワウフラッタについては、残念ながら規定レベルを割っていましたが、実用上問題ないですし周波数特定も規定内に調整が収まっていますのでヘッドの劣化は少なく状態としては良好と判断致します。

やまちゃん、配送は週末となってしまいますが、お手元に届くまで暫しお待ちください。