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RAMM (Nakamichi 700ZXL)


 
700ZXLの再生プログラム機能であるRAMM(Random Access Music Memory)の調整を行いました。
この機能があることは認識していたのですが、直接出音には関係が無いことと調整が面倒ということで、これまでずっと放置しておりました。。。
 
兄弟機の700ZXEもRAMMを持っているのですが、こちらは廉価版ということでCUEを行い、曲間部分の無音を検出し現在の曲に対して前後何曲目かの選曲をするのですが、700ZXLはもう少し高度なことをしています。それは曲間(手動操作で曲中も可)に5Hzのコード信号として曲番号、再生EQ設定、ノイズリダクション設定を書き込み、その情報を使って曲の頭だし及び再生EQ、ノイズリダクションの設定を呼び出すことができるのです。これにより録音時の設定を再生時に自動で呼び出すというのは当時としては画期的なことだったと思います。
CUE(LOW時)は7倍速、CUE(HIGH時)は40倍速にすることで5Hzがそれぞれ35Hz、200Hzになり、それをデコードするという仕組みです。通常速度では再生帯域外で出力されませんから、実に賢い。
 
ちなみにこれを実現するための調整内容はざっと以下の3項目が必要でした。
 
・CUE時及びRAMM時のCUEの再生速度調整(FAST/SLOW及びテープの巻き始め、センター、巻き終りの3点)
・CUE時のヘッドタッチ(位置)の調整
・RAMMのCUE時の出力ゲイン調整
 
2番目の調整はサービスマニュアルでは専用ゲージを使ってCUE時のヘッド高さを合わせるとありますが持っていませんし(入手はまず無理でしょう)、CUE出力レベル変動が少なくなるように調整しました。また5Hzが録音されたテープを使ってCUE速度の調整するのですが、これも録音レベルが不明のため取り敢えず0dBで作成しました。またこれも当初メタルテープが良いだろうと思って46分片面使って作成したのですが、サービスマニュアルに記載されているRAMM調整用冶具により設定するとバイアスが強制的に120μ固定されてしまうことが判明したのでノーマルテープで作り直すことに。。。(汗)
兎も角、これらの調整前は何時まで経っても曲の頭だしが出来なかったのですが調整後はぱっと迷わずに曲出しができるようになりました。
 
[RAMM動作時の動画]