本日の作業は前回に引き続き、ナカミチ1000ZXL(2号機)のメンテ作業です。
部品の交換、再ハンダなどリフレッシュが済んだ基板をセットして、サービスマニュアルに基づいて調整を行います。
こちらは再生アンプ基板のペアFETのオフセット調整の画像です。延長基板を接続してVRを調整することになります。
内蔵オシレーターなどの調整は、専用テストツールが必要です。
こちらの調整は何度も取り上げていますので、割愛します。
最後にRAMMの調整を実施。こちらも専用の治具ならぬ専用テストテープが必要です。
5Hzの超低音を録音しています。低速キュー、高速キューでそれぞくテープの前半、中間、後半と3か所で5Hzが規定の周波数内(低速キュー時:25-50Hz、高速キュー時:80-240Hz)に入るように調整します。ちなみに再生出力はHPFにより、この5Hzはカットされます。
検出回路のオフセット、ゲインの調整などが必要です。
動作原理としては面白いですね。他社の選曲機構は、曲間の無音部分をキューで検出するようになっていると思います。RAMMでもオート設定時は無音部分を検出してRAMMコードが録音されます。録音時にコードが記録されるというのが、ミソなんです。再生時には、無音部分ではなくRAMMコードを探します。このメリットは、クラシックなど曲間に無音部分が無い音源でも、手動によるRAMMコードの記録で対応可能な点です。
このRAMMコードはキュー動作で検出され、デコードして曲番号だけでなく、再生イコライザ設定(70/120)、NR(オン、オフ、外部)を自動設定するようになっています。相当なマニアックな機能ですね。(笑)
すべての調整が終わったので、実音源を使って試聴テストです。
ソースとテープを切り替えても、違いが全くわかりません。
やっぱりフラッグシップである1000ZXLは特別です。
ウッドケースの修復がいつ完了して戻ってきても大丈夫。
早めにメンテ作業が終わって一安心です。