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ACボルトメーター調整(KENWOOD VT-177)


現在使用中の2ch ACボルトメーターであるKENWOODのVT-177ですが、HP(ヒューレットパッカード)のオーディオアナライザである8903Bの測定値と相違があり、気になっておりました。

ただし、オーディオアナライザの測定値があっているとは限りません。なんといってもACボルトメーターもオーディオアナライザともにとっくに校正期限切れでしょうからね。(笑)

ということで、まずはオーディオアナライザ8903Bは合っているのか確認してみます。

基準となる信号源はIDKで校正されたナカミチのT-100を使います。(校正後1年未満)




T-100を1KHz、0dBにセット、8903Bに入力して測定してみました。
レベルは0.999Vと-0.1%です。このレベルを0dBにセットします。



続けてレベルを-20dBに下げて測定します。
測定値は-20.05dB、と-0.05dB。ということでT-100、8903Bとも精度は素人が使うには問題ないレベルですね。


調整したいKENWOODのVT-177のサービスマニュアルは入手できなかったのですが、兄弟機のVT-176のプリント基板の図と回路図が入手できました。



そこから、メーターゲイン調整VRの位置が判明。




このメーターゲインとメーターオフセットを調整して校正します。



ゲインとオフセット調整をイメージするためにグラフを描いてみました。
オフセットを調整ではプラスすると青のラインが赤ライン、マイナスすると灰のラインに移動します。同様にゲイン調整ではプラスすると青ラインは赤ライン、マイナスすると青ラインは灰ラインに移動します。
目標としては、1Vレンジで1Vと0.1Vの信号を入力し、ゲイン調整(傾き)、オフセット調整(原点)を調整して1Vと0.1Vの2値が合うように追い込みます。




調整後の1Vレンジのフルスケール(1V)と100mVのフルスケール(0.1V)の測定値です。これで納得できるレベルになりました。