本日の作業はナカミチのD/A A/Dコンバーター1000pのメンテナンスです。
サービスマニュアルによると1000pの調整には延長ボードが必要と記載があります。
そこで内蔵ボードと基板幅が同寸法且つ基板分プラスアルファの基板長と基板前後に雄雌コネクタが必要です。
途中経過無しで、完成画像です。
コネクタなどのパーツが使われている樹脂材料の供給不足により生産が出来ず、軒並み在庫ナシ、入荷未定の状態なのです。探しまくってやっと内蔵ボードと同じ品番のコネクタをオス側のみ入手、メス側は同等品を入手出来たのですが、ロックキーの位置が異なり、勘合できないという問題発生。市場には無くて、同等品にしたので何とかするしかなくて、棒やすりでシコシコと削り現合させました。。。
調整作業前に内臓ボード3枚について、経年劣化等を考えて再半田を実施しました。
パッと見でも、半田割れの怪しい箇所が結構ありましたね。
以前の記事でEEPROMライター、EEPROMの入手記事をアップしましたが、このデジタル信号発生器の出力パターンをサービスマニュアルに記載されている信号フォーマットに変更するために必要でした。
DG-2431入手記事
本日の着弾(2022/01/25、KENWOOD DG-2431) - toby_Nakamichi’s blog
ROMライター入手記事
本日の着弾(2022/02/05) - toby_Nakamichi’s blog
ROMイレーサー入手記事
本日の着弾(2022/02/01) - toby_Nakamichi’s blog
ROM入手記事
本日の着弾(2022/01/27) - toby_Nakamichi’s blog
調整に必要な信号としては、
Fs:32KHz、Offset:0% 光/同軸出力レベル:-18dBm
Fs:48KHz、Offset:0% 光/同軸出力レベル:-18dBm
Fs:44.1KHz、Offset:0% 光/同軸出力レベル:-18dBm
Fs:48KHz、周波数:1KHz 光/同軸出力レベル:0dB
の4パターンです。このパターンを既存のEEPROMデータに上書きしたのです。
(オリジナルのROMは導通スポンジ付きのケースに保管しました)
ちなみに、デジタル出力は光、同軸がありますがハンドリングが楽なので同軸で接続します。
調整は、サービスマニュアルに基づいてA/Dボード、インターフェースボード、D/Aボードの順に行います。
・ADC基準電圧調整(ADボード)
・発振器周波数調整(ADボード)
・オフセット電圧調整(インターフェースボード)
・位相調整(インターフェースボード)
・DACオフセット調整(DAボード)
ADボードとインターフェースボードを調整して、DAボードを調整しようと思って、問題発生です。私の持っている1000pはDAボードが標準のDA-101pではなく、オプションのDA-111pが実装されています。サービスマニュアルの手順は標準のボードを対象に記載されています。つまり、オプションボードの手順が載っておりません。。。
仕方が無いので、調整はせずに出力の歪率の確認のみとなりました。
DAT1入力にデジタル信号を加えて、アナログ出力をオーディオアナライザで測定します。1KHz、2.83V(0dB)のアナログ出力されています。デジタル信号はFs=48KHz、0dBです。
歪率の測定結果です。
これでDAボードの調整を除いて、調整が完了です。
測定器と延長ボードの作成で、懸念事項だった1000pのメンテナンスも何とか行える様になりましたが、オプションDAボードの調整については課題が残りましたね。
残念ながら、IDKでの正規サービスが終了して、九州のMAサービスのみとなりました。
パワーアンプや1000シリーズを含め、重量級のモデルは輸送のリスクも考え、自力で行える様にしておけば、動態保存の継続に保険が掛けられると思っています。