トレイが開かない、電源が入ることのみ確認のジャンク品を入手しました。
まずはいつもどおり、外装のクリーニングを実施します
二種類のクリーナと、表面保護剤を使います。目立ったキズは少ない、天板の艶がない、フロントパネル右角に打痕、アルマイトの剥げがあるものの、全体的には綺麗な部類ではないかと思います。
まず、トレイが開かないので、天板を開けてメカを取り出します。
一通り可動部のスムーズさを確認しつつ、古くなったグリースの除去と新しいグリースの塗布を行います。
この個体は、メカに関してはユーザーによる手が入っているようですね。タミヤのセラミックグリースと思しきものが要所に塗ってありました。機能的に十分とは思いますが、色が濃いグレーなので見える部分に塗られていると見た目が悪いです。
トレイが開かないのは、コントロール用カムが制御するリーフスイッチの接触不良によってヘッドが上がったままになっていたからでした。※ヘッドが上がっている(再生/録音中)はトレイが開かないようになっています。
なので、スイッチの接点をクリーニングし、導電グリースで保護しました。
それ以外では、テンショナー用のゴムベルトが溶解してベトベトになっており、除去に苦労しましたが
完全除去後、新しいベルトに交換しました。それ以外では、キャプスタンフライホイールのクリーニング、ベルト交換などの一連のメンテを実施しました。
メカが動くようになったので、ピンチローラー、ヘッドをクリーニング、消磁実施後、各部調整を行いました。
アジマスの調整時に気が付いたのはこの個体は、調整後のずれが少なく安定していることですね。
過去の個体では、調整後のズレが必ずと言って良いほどありましたから。
あとは基板上のテスト端子での測定がなく、全てライン出力で測定する点が、他のモデルとは違いました。
最後に試聴ですが、アジマス調整での印象どおり、安定してしっかりと高音が伸びている点が良いですね。