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修理完了(Nakamichi CR-40)

今回の対象セットはCR-40です。
症状は以下の通りです。
 
[症状]
・電源オン時に常に録音状態になる(タイマーREC)
・再生スピードが遅い
・再生すぐに停止
電源を入れるとタイマースイッチがオフ、タイマープレイに関係なく常にタイマーレックとなり、録音済みテープ+誤録音防止つめ有りの状態では消去されてしまうので直ぐに停止ボタンを押す必要があります。その後、再生ボタンを押してプレイを試みますが、直ぐに停止してしまいます。またその再生スピードは明らかに遅いです。
 
「ヘッド廻りの状況(納品時」
とにかくこのセットは外装のタバコのヤニと堆積したホコリが酷い
 
 
 
 
 
メカの清掃は作業性から、本体からはずした後に行います。
 
 
 
 
[処置]
・コネクタ接触不良(タイマーREC信号が常にアクティブ)→コネクタ洗浄
・ピンチローラー駆動モーター回転速度不良(再生スピードが遅い)→調整
・リッドクローズ検出不良(再生時すぐに停止)→調整
・ピンチローラー駆動用ベルト伸び(駆動トルク不足)→交換
・バックテンショナー用ベルト切れ(ワウフラッタ増加)→交換
・カセットメカのクリーニング
・固着グリースの除去、グリスアップ
・アジマス調整、レベル調整
 
スイッチ回路基板からのタイマー信号を追っていくと、メインボードのコネクタ以降、信号が行っていなかったので、コネクタ接触不良と判定。コネクタピンの洗浄を実施しました。ピンチローラー駆動ベルトが見るからに劣化し弾性が無くなっていたのでフライホイールの清掃および新しいベルトに交換。
再生時に直ぐに停止するのは、カセットリッドを閉めたときに、閉まっていることを検出するマイクロスイッチの動作点がずれ、閉じていないと判定しすぐに停止していた。そのため蓋を押し付けると停止することなく再生する。
以上の処置で、完全復活しました。
 
ちなみにこのCR-40は、以前修理したCR-30とは兄弟関係ですが、幾つか相違点があります。

電源ケーブルが太い。
・シャーシが銅ベース。底板も鉄板ではなく銅板に黒塗装。
・使用電解コンデンサに音響用を多用
・駆動モーターがサーボモーターではなくDDモーター(基板にコイルを実装)
 
きちっと整備・調整すると良い音を奏でます。