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Nakamichi DRAGON (4号機)メンテナンス

昨日のZX-5メンテナンスに続けて新入りのDRAGONをメンテナンスします。


これもZX-5と同じでアイドラのスリップによる早送り、巻き戻し、再生のトルク不足という症状です。
ZX-5より重症で、わずかに動く場合もありますが、一度止まるとほとんど動きません。。。


ナカミチオリジナルメカのアイドラタイヤ交換は非常に困難です。何故かといえば、アイドラタイヤ正面からアクセスすることはメカを全バラにしないといけないからです。サービスの方は、裏技を知っているのかもしれませんが。。。。


ZX-5の場合はメカ部分を本体から取り出して作業しましたが、


・DRAGONはメカ部分からのケーブルが多いこと
・後ろに引き出すためには基板を外して、よける必要があること
・リールモーターケースに半田付けされているアース線を外す必要があること。(ケーブル固定シリコンも取り除く)


したがって、私の場合は


・上部カバー、フロントパネル、底板を脱着
・スイッチ部パネルを脱着
・メカ取り付けビスを脱着


として本体からメカを完全に取り出すのではなくて、ケーブル余長分で本体から引き出す状態にします。
この際にキズが付かないように(特にカセットリッドのプラ部)に養生テープで保護することが必要ですね。


 

 

メカを引き出したら


・リア側からサンドイッチ構造のアルミプレート固定ビスを脱着
・フロント側プレート、リア側プレート間のバネを脱着


これにより前後プレートの隙間ができるのでアイドラホイール固定のEリングを取り外し、アイドラホイールを取り出しアイドラゴムを交換します。

 

 

[キャプスタンも併せてメンテのため、モーター制御基板も脱着の図]

 


取り外したアイドラゴムです。

 

 

ゴムの弾性がほとんどなくなっており、プラスチックの様になっていて、ホイールから伸ばして取り外すことが出来ずに、切断する必要がありました。ホイールを傷つけないようにしないと。


新しく交換するアイドラゴム、EリングとEリングホルダです。

 

 

今回のアイドラゴムはEbayからの入手品ではなくて、同サイズをゴム通で注文したものを使用。
海外では業者によるメンテ及び修理パーツ販売のビジネスは日本より上と感じていますが、今後入手性(リードタイム含む)、コストを考えると日本で調達ルートを確保しておきたいところであり、そのための布石と思っています。


外す時には簡単に外せたEリングですが、取り付けるのは難易度高くて、頭をひねる必要がありました。
取り付けはシャフトにアイドラホイール、バネ、ワッシャー大、ワッシャー小、Eリングの順番ですが、Eリングに対して正面からアクセスできず、横方向からの作業になりますし、バネの先端はアイドラホイール面にバネが廻らないように2つの突起があって其の間に入れる必要がありますが、アイドラホイールを取り付けてしまうと横からは、この突起が見えませんのでバネの取り付けは実質無理。。。(汗)


そこで養生テープで全てのパーツを組み上げた後に養生テープで固定し(バネは縮めた状態で固定)、シャフトが通る部分のテープには穴をあけておけば、バネを抑えながらEリングを固定という狭いスペースでのアクロバット作業が不要になるという作戦。
目論見通り、EリングをEリングホルダでセット後、養生テープを取り除いて完成です。
我ながら妙案でしたね。

 


 

後はメカを元に戻して、動作チェックをしました。リールモーターからの駆動はバッチリです。


途中、オーマイガーの時間帯もありましたが、何とか無事に終えて良かったです。


(注)まねをして痛い目に合うと困るので、ファンまでの公開です。