先日のドナーの正体は670ZX(部品取りジャンク)でした。
[上段がドナーの670ZX(メカは既に摘出済み)、下段が680]
でも670ZXの入手目的は修理対象としてではなく、ドナーなのです。
現在所有している680(68系列の最初のモデル)は入手時に再生ヘッドが断線しているものでした。ということで交換すべき再生ヘッド(P-8L)を探していました。
ナカミチオリジナルメカ時代に使われていたP-8Lはこれまで入手した内で断線しているものが少なくとも4台ありました。(泣)
断線の真の原因は判らないのですが、ヘッド内の充填剤によるコイルの腐食、湿温度変化時の膨張係数違いによる機械的ストレスなどではないかと想像しています。電気的な過電流などによる断線の可能性は低いのではと。。。
なお、670ZXはメーターが修理不能、フロントパネルも修復困難品なので躊躇なく部品取りにいけます。(爆)
680の再生ヘッドのブロックに670ZXから摘出したP-8Lを取り付けて、配線が完了したところの図です。
ちなみに680と670ZXはシールド線の長さが違うのでケーブルの付け替えが必要です。
こちらは透明なビニールチューブです。
ヘッドからのシールド線の結束に使います。
ナカミチの結束材はタイラップとこのビニールチューブが多く使われています。
タイラップも色は白と黒、最大結束直径が異なるものを含めると5種類ほど。私の個人的なこだわりですが、可能な限りオリジナルに近いものを使うようにしています。(笑)
この後は、例によってサービスマニュアルに基いて調整しました。
このモデルはハーフスピードの録音レベル、バイアス調整分が多いので1.5倍ほど調整時間が掛かりますね。再生ヘッドを含めて、無事に調整出来て、ほっとしました。兎に角、ヘッドは断線だけでなく磨耗を含めた特性が全てですからね。
ちなみに680はテープスピードがノーマルの4.8cm/sとハーフスピードの2モードあります。周波数特性はノーマルスピードで20-22KHz±3dB、ハーフスピードでも20-15KHz±3dBって凄すぎます。廉価版デッキのフルスピードと同等かと。(爆)
最後に試聴しました。いつも思うのですが、37年前にこれだけの物があったのが凄いと思います。