toby_Nakamichi’s blog

tobyのNakamichiに纏わる話題を綴るブログ

本日の作業(2019/02/04、ナカミチ680・その1)

 
 
ナカミチ680の2号機を入手しました。
 
680は末尾にZXが付く680ZXの前にリリースされたモデルで、680ZXが位相検出回路とモーターで録音ヘッドのアジマスを自動で調整するのに対して、手動でノブを廻して録音ヘッドを動かしアジマスを調整します。
 
どちらもテープ走行速度2.4cm/sの通常の半分のスピード機能を実装しています。フィリップスからのクレームで3代目の682ZXでは標準スピードのみになりました。(笑)
 
 
 
 
現時点で分っている状況は「不動」ということです。(爆)
 
それでは、修理といきましょう。
 
まずは現状確認ですね。
 
操作ボタンで再生ボタン無反応です。。。(汗)
 
操作ボタンユニットにアクセスすべく、フロントパネルを取り外して確認すると、メイン基板から操作ユニットへの接続ケーブルが1本完全断線、1本が切れかかってましたので、修復しました。また操作ボタンのパネルプラステーがひび割れていたので、エポキシ樹脂で補強しました。
 
操作ボタン回路が正常になってところで、操作するもメカ駆動ベルトスリップが発生し、モード切替できず。幸いピンチローラーアームの固着は無く、ベルト交換で対処しました。これは持病ですね。
 
やっと再生出来る様になったのですが、Rチャンネル側のメーターが振れません。。。
 
むむむ、再生ヘッドの導通をチェックします。
 
 
 
残念です。再生ヘッドのRチャンネルが断線しています。幸い手持ちの再生ヘッドがありましたので、換装で対処しました。
 
気を取り直して、良く見るとテープカウンタが進んでいません。ベルトの延びていましたので、ベルト交換で対処です。
 
ここで、気が付きます。カセットリッドを開けるレバーの遊びが大きいです。
フロントパネル裏側にあるレバー軸の先端に本来あるべきセットワッシャーが無くなっています。セットワッシャーの手持ちが無いので、同径用のEリングで対処します。
 
レバーの遊びは適正になったのですが、カセットリッドの開閉の最後で動作がスムーズでありません。よく見ると、アーム軸が折れています。エポキシ樹脂で固定するとともに、軸支点を追加することで対処しました。
 
さらにチェックを進めます。カウンタリセットが出来きません。。。(汗)
 
[右側がプーリーを移植した交換するカウンタメカ]
 
別モデルから、カウンタメカを移植しました。基本的にメカは一緒なのですが、プーリー部のパーツ、リセットレバーが異なっていましたので、プーリーとレバーを移設です。
 
さらに、チェックは進みます。
 
ソース/テープ切り替えスイッチの接触不良が酷いです。接点洗浄剤では短時間ではOKですが、しばらくすると再び接触不良になってしまうので、スイッチの分解清掃を実施します。
 
[清掃前]
 
[清掃後]
 
予防処置で他のスライドスイッチも全て分解清掃を実施します。
(テープポジションSW、イコライザSW、ドルビーSW、ディスプレイSW、タイマーSW)
この作業は何度やっても、ビビります。(爆)
 
さらにチェックを進めます。
 
ハブ駆動トルク低下及び異音発生します。これは持病のアイドラホイールゴムの劣化なので、新品に交換します。
 
さらにチェックします。
ディスプレイSW切り替え時に表示ゲインが変わりません。清掃完了時にSWの単体チェックは実施しているのでSWは白なのですが。。。(汗)
 
信号を追っかけてチェックするとSW基板とメイン基板間ケーブルが断線してました。
 
[右側がオリジナルの折れたケーブル、左側は代替えに作成したケーブル]
 
 
 
 
前オーナーが半田時にパターンを剥がしてしまい、対処した後があります。
この対処方法は信頼性の面でよろしくないですね。
 
 
ジャンパ線を追加して、確実に結線します。剥がされたレジストも同色のレジスト液で補修します。
 
さらに、チェックを実施します。
 
カセットリッド及びカウンタの照明がLED化されているのは良いのですが、本来の色味がオリジナルと乖離が大きいグリーンになっています。本来はムギ球にブルーのカバーを掛け、微妙な薄い青緑色です。
 
追加された制限抵抗、LEDを除去し、ムギ球に戻します。ただし、オリジナルのブルーのキャップが無いので、ムギ球にブルーをコーティングし対応。
 
 
 
これで、やっと調整できる状態にまで漕ぎ付けました。
 
その1はここまでとし、その2に続きます。