toby_Nakamichi’s blog

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本日の作業(2022/05/07、ナカミチOMS-70(2号機))

 

本日の作業は昨日紹介したナカミチのCDプレーヤであるOMS-70のメンテです。

 

 

作業はCDプレーヤーとして再生能力の回復が主となりますが、操作していて気になって点があります。製造年を考えると仕方ないのですが、キースイッチの接触不良です。

反応が鈍い個所と併せて、全く受け付けない箇所があります。

 

 

部品単価は安価であることと、接点洗浄などせずに交換が吉でしょう。

数が多いので、取り外し手間がね。。。

 

 

ネットで100個入手。タクトスイッチ(タクタイルスイッチ)というタイプです。これは、サイズ(四角の一辺)、高さ(取り付け基板表面からボタン先端までの高さ)、ボタン色、操作力など仕様種類が多くあります。直ぐに入手可能なものは、機械的寸法は6mm角、高さ5mmと同じ、唯一オリジナルより操作力が重いタイプしか見つからなかったのですが、そこは我慢します。本当なら耐久性の面でアルプス製を選びたいところですが、昨今の部品調達難(在庫切れ・入荷時期未定)ですから。。。

 

開けて気がついたのですが、この個体はメーカーサービスではない手が入ってます。

 

 

ここは、オリジナルは恐らくアセテートテープで固定されていたはずです。この個体は布ガムテープで固定されていましたし、

 

こちらの謎の配線処置。。。

 

 

近接のコネクタが半田こての接触によると思われる溶解、コネクタヘッダターミナルに直接半田付け、しかもイモ半田。苦労した後は伺えますが、製品に対する敬意、愛情は感じられない。。。

 

 

 

なので、手持ちのコネクタで修復しました。

 

 

 

真新しいタイラップ。

ここは、製品の経年状態と違和感があるので、黒のタイラップで処置しました。

 

またピックアップ駆動ベルトはパンコードが使われていました。

 

右は交換しようと事前に用意していた平ベルト。OMS-70iiは平ベルトだったのですが。。。

 

 

1.6mm角ベルトに交換しました。

 

 

パンコードは繋げた部分がどうしても段が付いてます。この部分でピックアップのアバレが出るはずです。その点、平ベルトが優れていますね。なるほど、それでOMS-70iiで平ベルトに改良されたのかもしれませんね。プーリー、ギアに謎のマーキング・・・

 

ピックアップ廻りの配線引き回しもオリジナルとは違うはず。ピックアップの可動域に対してスムースに動くには抵抗がある状態でした。

 

一通り、気になる部分の改修が終わりましたので、サービスマニュアルに基づいて、調整を実施します。

 

以前入手したOMS-70(1号機)はピックアップが昇天していて代替えが入手できずにお蔵入りとなりましたが、今回はピックアップが何とか動作していますので調整で出来るだけ機能回復させたいです。

 

これまで他のCDPは専用治具が調整に必要でしたが、このモデルは不要なのですね。

 

1.レーザー出力調整

 光学パワーメーターが必要です。持っていますが、調整してピックアップをお釈迦にすると取り返しが付かないですし、現状動いているので触らないことにしました。

VRガリなどで一瞬でも最大出力を超えると破損します。半導体の最大値は一瞬でもオーバーはNGです。

 

2.フォーカス・サーボ調整

3.トラッキング・サーボ調整

 

 (アナログ)オシロスコープが必要ですね。

 

4.フォーカス・スクリュー調整

5.RF信号位相調整

6.トラッキング・スクリュー調整

 これまで他のナカミチのCDプレーヤーでピックアップ廻りのビス(機械的な調整)による調整方法は無かったですね。このあたり、初めてリリースされたCDPということが伺われますね。固定ビスを緩めて、調整ビスで調整して終わったら、固定ビスを締めるという手順です。固定ビスともにねじロックを塗布します。画像は撮り忘れましたが、ここでも謎が。ねじロックが、緑と赤の2色あり。一方が、オリジナルで他方が後作業かと。ちなみにナカミチでもモデルにより、赤と緑があるので、2色準備しています。(笑)

 

7.VCO調整

 周波数カウンタが必要かも思いきや、不要でした。

 

8.ピックアップ稼働調整

 これもお初な調整でした。CUE時のパルス幅を調整するというもの。

 オシロスコープが必要です。デジタルオシロスコープでカーソル測定付きだと便利が楽ですね。

 

9.オーディオ信号バランス調整

 D/Aコンバーター出力の左右レベル調整。これも初作業でした。

 

10.スクラッチ、ドットディスク調整

11.中心ずれディスクのトラッキング調整

 この項目は専用ディスクが必要なので、未実施です。

 

一通りの調整を追い込むことで、入手時に出来なかった曲送り、CUE、ダイレクト曲選択が辛うじて出来るようになりました。後継モデルの様に、曲操作がサクサクと迅速には動作するまでは至りませんでしたが、まあ許容範囲の動作にはなりました。(汗)

 

 

コレクション的にはCDP/DVDPはコンプリートでしたが、動作品という条件ではOMS-70は不動品でした。これで不動品を含むコンプリートから動作品でのコンプリートに格上げですね。(笑)