本日の作業は前回作業に引き続き、パワーアンプPA-70CEのメイン基板のメンテ作業を行います。
筐体からヒートシンクを取り外すには、10本のネジを外すだけなのですが、
そこから更にヒートシンクからアンプ基板を取り外すには
・リミッター回路からのケーブルを外す
・正負電源、グランド、SP出力のターミナルネジを取り外す
・リアパネルのライン入力ケーブルを外す(半田)
・グランドケーブルを外す(半田)
・サーミスタ基板のネジを外す
・パワートランジスタ(18個)の取付ビスを外す
・基板取付ビスを外す
と結構な手数が必要でした。。。
アンプ基板が取り出せたので、基板のメンテ作業を行います。
まずはリード曲げ方向不良の修正です。
赤丸で囲った部分、部品およびジャンパ線のリードがパターン上に被る形で曲げられて半田付けされています。パターンは剥き出しではなく、レジスト剤によってコーティングされていますが、被覆は強固ではなくリード線の先端により傷つけられば、ショートしますし、現時点でセーフだとしても将来的にショートする可能性が高くなります。
(修正前)
(修正後)
リードを起したり、パターンのラインに沿わせるなどして適正化します。
続けて部品の交換です。
パワーリレーとケミコンを交換します。画像には映っていませんが、ほかにペアFET、半固定VR2個も交換します。
ペアFETは正規の2SK240-BLが3個入手出来たので、そちらを組み込もうと考えておりましたがIDSS、VGSを測定した結果、ペア内および2個での差が想定した値より大きく、それよりも揃っている先日作成した2SK240もどきである2SK170ペア品を使用することにしました。
上段がメンテ作業実施後で下段はメンテ作業実施前です。(部品面からの画像)
カセットデッキのメイン基板などに比べると、基板は小さめですがパワートランジスタや電力抵抗、ターミナルなどはコテ先温度が下がりやすく、パターンを傷めないように神経を集中するので疲れます。
LR両チャンネル分の半田作業が終了後、フラックスを洗浄、目視チェックをし、基板コーティング剤を塗布して本日の作業は完了です。
次回は、基板を組み込んでいきたいと思います。その3に続きます。