toby_Nakamichi’s blog

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LX-5修理(その3、最終回)

前回は、あまりに簡単なシーリングパネル部分の修理?でお茶を濁しました。(爆)

残りの不具合点1-3を片付けたいと思っています。
今回は多分少し、レベルがあがります。(笑)

ナカミチの録音レベル調整は

1.L、R独立ボリューム(回転式、スライド式)
2.L、R同軸ボリューム
3.バランスボリューム+マスターボリューム
4.L、R独立ボリューム+マスターボリューム

などの方式がありますが、LX-5は1のL、R独立ボリューム(回転式)ですね。
これとは別にオートフィーダー機能を装備しています。
UP、DOWNの2つのボタンが付いていて、ワンプッシュで最小と最大までフェードイン・フェードアウトが可能です。なお、このスイッチはダブルアクションになっていて深く押し込んでいる間は早くフェードするようになっています。
録音時のみ有効で、それ以外のモードに遷移すると解除され最大に復帰します。
電源投入時には、待機モード通常モードに切り替わるのと同期して、最少から最大になります。

とオートフェードの機能が説明し終わったところで、このLX-5は最小を表すDOWNーLEDが最大輝度からUP-LEDが最大輝度に遷移すべきがDOWN-LEDが消灯しますが、UP-LEDが点灯しないのです。




まず、LEDの故障を確認します。



今は珍しいφ3の赤色モールドLEDですね。




テスターで測定すると、双方向で20オームとダイオードの特性は示さなくなってます。(笑)

念のため、UP・DOWNどちらのLEDも手持ちのLED(クリアレッドで代替)に交換します。



これでチェックするもUP-LEDは点灯せず。REC-MUTEのLEDは正常でしたし。(笑)
なお、UP-DOWNスイッチとREC-MUTEスイッチを含めたスイッチ回路不良も想定されるのですが問題ありませんでした。

ちなみにREC+PAUSEボタンで録音待機モードにはなり、PLAYを押すと録音モードには遷移しますが録音・消去はされません。
録音ボタンを押して、メカは録音動作になっているのでスイッチからCPUまでは正常といえますから、CPUからアンプ系が怪しいとなりますね。

回路図と回路を照らし合わせて、追っかけるとCPUからのRECモードにする制御信号出ていますが、その先の複数のトランジスタを経由してREC時が+12V、STOP時が-12Vであるべき信号が-12Vに張り付いたままでありました。
さらに追っかけると、BIAS発振回路(マルチバイブレータ)のトランジスタについている帰還コンデンサがパンクしてました。ナカミチデッキのアキレス腱ですね。(笑)



フィルムコンデンサが完全にショートモード。



ここも念のため、たすき掛けの両側ともコンデンサを交換します。



コンデンサがショートすることでエミッタ側の-12Vがベース側の通じて-12Vに引っ張られていた訳です。




これで、オートフィーダーLEDとREC-MUTEのLED共に正常、本来の録音モードになり、BIAS発振回路も動いたことで、録音・消去が可能になりました。

後は普通にサービスマニュアルに基き、調整を実施して作業は完了です。



初めてのLX-5でしたが、何とか無事に完了出来て良かったです。

700に通じるデザインですが、このサイズでもシルバーとブラックの2トーンはシックで良いと思います。