toby_Nakamichi’s blog

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メモリ消失・・・

メインラックに収まって問題なく動作していた1000ZXLリミテッドですが、ABLEを保存するメモリバックアップができなくなっていることに気が付いてしまいました。。。

まあ、録音時に毎回ABLEを実行すれば実使用上全く問題無いのですが放置できない性分ですので対応します。(爆)



バックアップメモリのICはパーツリストを見てみるとuPD5101となっています。
これは、その昔NECのボードコンピュータでTK-80がありましたがそれに使われていたSRAMではないですか。懐かしいですね。メモリサイズは256x4の1024ビットですから。

そのICですが、ネットを探してもデータシートが見つかりません。
まずICの仕様を見ないことには適正な使用条件、タイミングか否かの判断ができませんから。PDFなどの電子ファイル化される前にディスコンされたからでしょうかね。。。

何とか、セカンドソース品のデータが入手できたので見てみます。



電源電圧(VCC)は5V±5%の4.75-5.25V、動作モードからスリープモードへの移行はCE2が0.2V以下、スリープ時のVCCは2V以上、CE2が0.2V以下からでVCCが4.75Vになるまでの時間は0ns、復帰時の時間はリードサイクルとあります。

スリープモード移行時のタイミングを見てみます。



上の波形(黄色)が電源(VCC)、下の波形(水色)がCE2です。
CE2がLになってから、VCCが4.75Vになるまでは7msあるようですが。。。
え、スリープモードになる前、つまり動作時のVCCが4.8V?

これはスリープモード移行以前に電源電圧が下限値ギリギリではないですか。(汗)


この電源回路図を見てみます。



12Vから5.6Vツェナーを使って5Vを作っています。この5Vとバックアップ用電池(3V)をダイオードでつなげて供給しています。

トランジスタのVBEが0.6V、ダイオードのVFが0.6Vとすると

5.6-0.6-0.6で4.4Vとなりますが、実際にはそれより少ないし、ツェナーも5.6Vドンピシャでは無いのでデジボルで測定してみます。



上がトランジスタのベースで5.759V、下がダイオードのカソードで4.736Vです。
画像は無いですが、トランジスタのエミッタで5.2V程度なのでVBEが0.56V、ダイオードのVFが0.46Vで
定格電圧下限の4.75Vを下回っています。

トランジスタのエミッタ出力である5Vは他のICに供給されていますから、ツェナーダイオードを電圧の高いものに変更して5Vを高くすることは出来ませんので5Vの先にあるダイオードをVFの低いタイプにすることで対応することにします。ショットキーでVFが最大0.4Vのダイオードが手持ちにありましたので交換してみます。



上がとトランジスタのベース電圧で5.752V、エミッタが5.2V(画像はありません)、SWダイオードのカソードで5.094Vですから、交換したショットキーダイオードのVFは実測値は0.1V程度ということになります。

この対応でメモリICへの供給電圧は定格5V±5%に対して+2%でインスペックとなり、安心できる値になりました。



電源を20回ほどオンオフ(インターバルを適当に変えて)してみましたが、設定データは一度も消失しなくなりました。

それにしても、メモリICの動作保証の下限値ギリギリというか定格外。
ICの内部的マージンで動作していたことになる設計は自分的には納得できませんね。
個々の部品が全て定格内で下ブレしていたら確実に動きませんから。。。

しばらく経過観察します。