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ZX-5 とうやさん号修理

今回、とうやさんのZX-5を修理することになりました。

とうやさんからは事前に、トランスの一次側の導通が無いとの情報を頂いています。



丁寧な梱包されておりました。気合が入りますね。(笑)




ACプラグ両端にテスタをつなぎ電源スイッチをオンにします。テスタは開放を示しています。
トランスまでのルートに問題がある可能性もあるため、確認します。
さらに念を入れて、トランスの巻き線直前までは導通があることも確認できました。
申告通り、トランスの一次側巻き線内での断線確定です。。。(汗)
二次側は断線はありませんでした。



あらかじめ、同等品(出力電圧、容量、サイズ)をネットで探してみましたが、電気的特性でマッチするものはありましたが、サイズ的に若干大きくて搭載が難しいことがわかりましたので、手持ちの部品取り機器から流用することにします。

しかし、トランスを交換すればOKとは言えませんね。
なぜ一次側の導通がなくなったのかが問題です。
これを解決しないと、トランスを交換しても同じ状況になりますから。

トランス一次側の非導通は
定格容量を超えて使用→温度上昇→温度ヒューズ溶断
という流れかと思います。

では、定格容量が超えた理由は?

2次側のルートに定格を超える原因、つまりショートまたはショートに近い状態があるということでしょう。

2次側の先は+12Vと-12Vの電源回路と表示ユニットに接続されていますので、12V電源回路をチェックします。

パターンを追って行くと、-12V側のパワートランジスタのエミッタでグランド間の抵抗値がゼロでした。
エミッタに接続しているジャンパリード、部品を外しながら、短絡している部品を探します。

見つけました。



-12V平滑用のコンデンサ(16V 2200uF)がショートモードで故障です。
ドライアップによるものでしょうか。

手持ち部品(25V 2200uF)に交換してショートが解消されていることを確認します。

電源を投入し、+12V、-12V電源の電圧が正常及びトランスの異常な温度上昇、異臭発生が無いことを確認しました。

これで安心して、調整作業に入れます。

[追記]
回路を改めて眺めてみると、1次側にヒューズはありません。
トランスが26VAであることから12V電源は正負が同電流とするとそれぞれ1A以下である必要があります。
それに対して2次側に2.5Aのヒューズが入っています。突入電流を考慮すると、大体良さそうですが実際に出力ショートでヒューズがブローしなかったことを考えるとヒューズが適正でないといえるかもしれません。
また一次側にヒューズを入れるということも必要なのかもしれません。