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Nakamichi 700ZXL 復活へその4

前回のその3では、録音がかろうじてきるようになったところまででした。
 
今回は録音機能の続きです。
 
録音機能の前に、当初から気になっていた部分である「コネクタの接触不良」について対処しました。
 
コネクタ接合部の調整、接触部の清掃では根本的な解決にはならず、接触不良の不安が払拭できず、
修理対処後の確認で妨げとなっていたからです。
 
対処方法は、単純です。新品部品への交換です。
これに勝るものは無いでしょう。
 
当然ですが、マザーボート側とユニット基板の両方共に交換しました。
 

[マザーボート側のコネクタ交換]
 

[ユニット基板側コネクタ交換後、手前は取り外した古いコネクタ]
 
これで、コネクタの接触不良に関して心配がなくなりました。(問題はコネクタ以外に限定されるはず)
 
録音の修理作業に戻ります。
 
録音を正常に行うためには、録音バイアス、録音レベルの調整が必要です。
 
外部のオシレータから400Hz(-20dB)、15KHz(-20dB)を入力し、録音バイアス、録音レベルを調整します。
 
R側はOKですが、L側は録音レベル調整ボリュームの調整範囲で調整できません。。。
 
ナカミチの場合は、ノーマルテープ(EX)、CO2テープ(SX)、メタルテール(ZX)とプリント基板にシルク印刷されていてそれぞれ調整ボリュームにて調整するようになっています。
この700ZXLについても同様です。で、ノーマル、CO2、メタルすべてにおいてL側のレベルがおかしいです。
 
ということは、切替えを担当している「アナログスイッチ」が原因でしょう。
 

[壊れたアナログスイッチと脚が酸化しているオペアンプ]
 
オリジナルの沖のMSM4066は入手できないので他社の現行互換品に交換することでLR共に調整できるようになりました。
 
併せて、電源投入時に録音ヘッドアジマスモーターが廻り続ける問題がありました。
(再生には影響ないのでこれまでは、アジマス調整モーターに接続するコネクタを抜いて暫定対処)
これも、オートキャリブレーションを動作させるためには、必須なので調査しました。
 
再生信号の位相をコンパレータで比較し差分信号をパワートランジスタを通してアジマスモーターを駆動しているのですが、このコンパレータ部分のICが劣化していました。交換しモーターが回り続けることはなくなり正常動作するようになりました。
 
これで、一応録音の調整できるようになったので、ちょっと色気を出して、オートキャリブレーション(ABLE)動作に試してみました。
 
駄目でした。(笑)
まだ他の部分に問題があるようです。
 
サービスマニュアルのオートキャリブレーションフローチャートによると
オートキャリブレーション(ABLE)は内部発振ユニットによって、録音レベルと録音アジマス調整に400Hz、録音バイアス調整に15KHz、録音イコライザ調整に7KHzを使用していることがわかりました。
 
ここで問題が発生です。サービスマニュアルによると「オシレータ回路」の調整には専用の延長基板が必要であることが記載してあります。しかし延長基板の回路図はありません。
この400Hz、7KHz、15KHzを切り替える機能が組み込まれているようです。単純にコネクタ間を導通させるだけでは駄目ということです。仕方が無いので、機能を想定して延長基板を作ってみました。多少試行錯誤がありましたが、無事に発振周波数の切替制御ができるようになりました。
 
400Hz,は90mV、7KHz・15KHzは共に9mVにそれぞれ調整しました。
 

[延長基板+オシレータ基板]
 
当初は、オートキャリブレーションを開始するとすぐに「エラー」で停止しましたが、
ここまでの修理・調整によって
 
400Hzによる録音レベル調整、録音アジマス調整、15KHzによる録音バイアス調整(1回目)
400Hzによる録音レベル調整、録音アジマス調整、15KHzによる録音バイアス調整(2回目)
7KHzによる録音イコライザ調整
と一通りフローが流れ、5割程度は正常終了するようになりました。
 
他に未調整部分があるので、残りを調整すれば10割になるのか。。。
 
今回はここまでです。